「迷ったらYES」が現場を加速させる。職種の壁を溶かし、一体感を生む「オンサイト×密連携」の力(後編)

目次

前回(サービス・プロダクト編)の振り返り

前編では、求人おきなわ様の「多角的な面展開」と、それを支える技術スタック刷新への決断力についてレポートしました。 両社のアプローチの違いである「地域を面で押さえる多角展開」と「学生の時間軸に沿った垂直特化」が、エンジニアに求められるスキルや視点の違いとして現れることが印象的でした。 こうした戦略的な開発を支えているのは、どのようなエンジニア組織なのか。後編では、私たちが沖縄の地で肌で感じた「組織・カルチャー」にフォーカスします。

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レポート②:組織・カルチャー編

① 【意思決定】合言葉としての「迷ったらYES」

求人おきなわ様のオフィスを訪れて、真っ先に目に飛び込んできたのは、壁に掲げられたValue(行動指針)の「迷ったらYES」という言葉でした。このひと言は単なる行動指針ではなく、エンジニア同士の議論や意思決定の場面で「共通言語」として機能しているものでした。

この言葉が組織に深く浸透している背景には、以下の3つの工夫がありました。

  • シンプルな合言葉がチームの共通言語として機能し、「まずは挑戦する」という姿勢を共有できている
  • ワークショップを通じて言葉が自分ごととして腹落ちしている
  • オフィスの壁への掲示で日常的に目に入る仕組みになっている

自社で取り入れるとしたら

印象的だったのは、大事なのは「迷ったらYES」という言葉そのものよりも、チーム全員が同じ判断基準を持っている状態を作っていることでした。 この考え方は、まず身近なところから私たちの日々の業務にも取り入れられるはずです。

  • 判断基準の共有: メンバー同士で「何を重視するか」をすり合わせる機会を持つ
  • 共通認識の言語化: 議論の中で生まれたチームの方向性を、覚えやすい言葉にする
  • 日常的な活用: ミーティングや普段の会話で、そのキーワードを自然に使う

エンジニアの実務でも、例えば仕様で迷ったときに「今回はユーザー体験を優先するのか、スピードを優先するのか」という軸がチーム内で共有されていれば、議論が止まりません。属人的な判断ではなく「チームとしての決断」として進められるのは大きいと感じました。

② 【職域の融合】エンジニアとビジネスサイドの「ゼロ距離」連携

今回の技術交流会で私たちが目にしたもう一つの大きな発見は、エンジニアと他職種との「物理的・心理的な距離の近さ」です。

「阿吽の呼吸」を生むリアルなコミュニケーション

求人おきなわ様では、エンジニアと同じフロアにマーケティングをはじめとする他部署が隣接しています。何かあればすぐに席まで歩いていき、その場で会話が始まる。 ドキュメントを介さずとも、「阿吽の呼吸」でトラブル対応や要望のすり合わせが行われるスピード感と熱量は、出社スタイルならではのものでした。 直接顔を合わせて対話することで、認識のズレが最小限に抑えられ、コミュニケーションコストを下げて案件を動かしていく。スピーディでリアルな連携は、出社スタイルならではの強みだと言えます。

リモートと出社の強みと課題

フルリモート中心のi-plugとは非常に対照的な環境であり、この違いについては参加メンバー間でも議論が盛り上がりました。両者を比較してみると、それぞれにメリットと、裏表の関係にある課題が見えてきます。

比較項目 求人おきなわ(出社スタイル) i-plug(フルリモートスタイル)
コミュニケーション 直接対話による圧倒的なスピードと熱量。 Slack等による非同期の効率性と時間の有効活用。
ナレッジ共有の方法 不明点はすぐに担当者に聞きに行き、その場で対話を通じて共有・解決。 ドキュメント化を文化とし、知見を形式知として蓄積・再利用。
組織の動き 現場の状況に合わせた、柔軟で俊敏な連携。 各自が自走し、自律的にタスクを遂行する体制。
課題 言語化・仕組み化による、さらなる再現性の向上。 当事者意識と連携の質を高める工夫。

求人おきなわ様の「人ありき」でスピーディーに動くスタイルに対し、i-plugはドキュメント文化によって属人化を防ぎ、効率的に時間を活用するスタイル。一見対極にありますが、「非言語のニュアンス」や「部署を越えた偶発的な交流」という点において、学ぶべきことが多くありました。

フルリモート下で「ゼロ距離」をどう再現するか

i-plugでも年に2回のキックオフなどの対面機会はありますが、毎日顔を合わせる組織と比べれば、部署外との交流はどうしても限定的になりがちです。

今回の技術交流会を経て強く感じたのは、「フルリモートだからこそ、意図的にコミュニケーションを活発化させる工夫が必要」ということです。

i-plugには、部署の垣根を越えた交流をサポートする「i-commu(部署間のランチ代や飲み会代を補助する制度)」などの福利厚生や補助制度が整っています。

沖縄の地で感じた「隣にエンジニアがいる」という安心感。フルリモート環境のi-plugにおいても、デジタル上でいかに「ゼロ距離」の連携を再現し、コミュニケーションコストを下げていけるか。今回の気づきを、今後の組織づくりに活かしていきたいと思います。

③ 【当事者意識】複数サービスを越境した貢献

前編では開発思想を支える土壌として触れましたが、ここではエンジニア個人の働き方という観点からさらに掘り下げます。求人おきなわ様のエンジニアは、一人が複数のサービスを一通り理解し、担当しているケースが多く見られました。 特定の機能や領域に閉じることなく、サービス全体の仕様やビジネスモデル、さらにはユーザーの顔までを広く理解している。 だからこそ、「自分の書くコードがどのサービスをどう支えているか」という当事者意識(オーナーシップ)が非常に高く、それが「迷ったらYES」という前向きな姿勢を支える根源になっています。

i-plugのエンジニア体制

一方、i-plugでは開発にユニット制を採用しており、フルサイクルに幅広くタッチできる環境や、越境を推奨する方針があります。ただ、その実践についてはまだ道半ばであり、求人おきなわ様のように自然体でサービス全体を語れるレベルを目指して、さらなる改善の余地があると感じました。

「越境」をさらに進めるために

求人おきなわ様のエンジニアが自然体でサービス全体を語れる姿を見て、自分の担当領域がプロダクト全体の中でどんな役割を果たしているのかを意識することの大切さを改めて確認できました。 例えば以下のような取り組みが考えられます。

  • 他チームのプロダクトを実際に触り、ユーザー視点でフィードバックし合う機会を設ける
  • 技術だけでなく、ユーザーやビジネスモデルへの理解を広げる場を意識的に作る
  • 定期的にチーム横断の共有会を開催し、各チームの取り組みを「自分ごと」として捉える

越境の実践を積み重ねていくことが、エンジニアとしての当事者意識をさらに高める鍵になると、今回の交流を通じて確認できました。

イベントのまとめと今後の展望

今回の技術交流会を通じて実感したのは、沖縄と大阪、1,500km離れていても、「他部署との連携をどうスムーズにするか?」といった、エンジニアが抱える本質的な悩みは共通だということでした。

今回得た「負債への向き合い方」や「職種を越えた当事者意識の持ち方」を、早速私たちのプロダクト開発部に還元していきます。今回の交流を単発のイベントで終わらせず、今後も外部組織との「つながり」から刺激を受け続け、プロダクトを磨き続ける組織でありたいと思います。

最後に

株式会社求人おきなわの皆様、アツい時間を本当にありがとうございました! 「つながり」が新しい可能性を生むことを確信した一日でした。またやりましょう!

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